レノックス・ガストー症候群(LGS)は、周産期の低酸素・遺伝子変異(結節性硬化症、MECP2関連、等)・腫瘍・外傷など様々な原因で生じるため、お子さん(患者さん)の症状に幅がある疾患です。診断が難しい(幅がある)ことも重なり、「LGSかもしれない」と言われていたり、原因となる疾患として診療されLGSとは言われていなかったりすることもあると思います。
LGSは薬剤が効きにくく、ほとんどの方が発作がとまらず、発作に苦しんだり、発作とともに暮らしています。発作に対して情報共有や、生活の工夫について、情報を得たり、話し合う場を作りたいと思い、teamLGSを立ち上げました。LGSの方や、LGSかもしれないといわれている方、DREの方(その中にLGSに類似した治療が効果がある方もいると思います)に参加してもらえる場を目指します。
嬉しいことに、最新のLGS専用薬が発売されました。また、LGSの発作を止めようと、国内外で研究が進んでいます。中には治験(発売のための試験)に入り、発売予定がみえている薬もあります。ということは、LGSの方はもちろんのこと、DREの方たちも含めて、みんながLGSのことを一度は知っておく必要がありますし、主治医の先生はもちろん伝えてくれると思いますが、患者/家族としても最新情報を見逃さずに得ておきたいところです。また、DREの方でLGSではないと主治医に説明受けても、治療や生活の工夫で参考にできることも多いと思いますので、そんな情報を伝えたいと思います。
また、私たちは、LGS/DREと向き合う中で、患者さんやそのご家族を様々な角度からサポートしようとしている人たちが多くいることにも気づきました。team LGSでは、患者さんやその家族だけでなく、医療関係者等、LGS/DREに関わる全ての人たちの架け橋となり、様々な情報を発信・共有しながら、みんなで正しく学び、みんなで楽しく創り上げていくコミュニティを目指します。そして、患者さんやご家族の生の声をデータとして集約し、治療に繋げられるようにしていきたいと考えています。なお、私たちはPPI(※)を目指したいと思っています。 ※PPI(Patient and Public Involvement)とは「患者・市民のために研究が行われるのではなく、患者・市民と共に、または患者・市民によって研究が行われること(英国NIHR)」
LGS/DREの患者さんやそのご家族は、周りに同じ境遇の人がいなかったり、時に症状のシビアさから、孤独を感じることもあるかもしれません。幾度となく出る発作に何もできず、自分の無力さを痛感する日々かもしれません。でも、そんな気持ちも、みんなで集まり共有することで、治療法確立のヒントになるかもしれません。
まずは、患者さんや家族の困りごとをお互いに共有しながら、そこで集まった情報をデータ化し治療法確立を目指します。
1~8歳(ピークは3~5歳)に発症あるいは他のてんかん症候群(特に乳児てんかん性スパズム症候群:West症候群)から変容する。10歳以降の発症も稀にあります。
強直発作(全身に強く力が入る発作)はほぼ全員に見られ、非定型欠神発作(ボーっとする発作)、転倒発作(倒れる発作)を含めた複数の発作がみられます。
脳波については、てんかん診療医師でないと理解が難しいのですが、「遅い広汎性緩徐性棘徐波」と「睡眠時の全般性速波律動 」という2つの特徴的な脳波が見られます。
※第ゼロ回(初回)のオンライン講座&交流会で丁寧に説明しています。
LGSは様々な疾患から生じるため、発達の具合は様々です。発病前から、知的な発達や運動の発達が軽度から重度まで様々に遅れが見られるお子さんがいます。
診断されたときには、知的な遅れが無いお子さんもいますが、発病後は発作が続くこともあり、多くのお子さんで知的な遅れが見られるようになります。
LGSは「てんかん性発達性脳症」という分類に入ります。
レノックス・ガストー症候群は、小児慢性特定疾病と指定難病に登録されています。該当される場合、指定医の意見書と共にお住まいの保健センターに申請ができます。
その子(人)のてんかんに適切な薬剤を調整しても、2年間てんかん発作がとまらない場合にDREと呼ぶことが多いとされていますが、小児の場合は1年間の治療でおさまらない場合もいいます。また、LGSも含めた発作がとまり難いとされているてんかん症候群を診断された場合は、DREと考えられます。さらなる薬剤追加や、てんかん外科(手術)、ケトン食やステロイド治療なども選択肢に入れた治療が検討されます。